パッシブデザインを構成するもの#01『高断熱・高気密』
和歌山県の和歌山市を中心に、
高断熱・高気密で快適な
新築・リノベーション・
リフォームを地元密着で
行なっている浅井良工務店です。
前回のパッシブコラムでは、
パッシブデザインを構成する
5つの設計項目
1.高断熱・高気密
2.昼光利用
3.日射熱利用暖房
4.日射遮蔽
5.自然風利用
を意識することが重要とお伝えしました。
今回はその中で『高断熱・高気密』について
掘り下げていきます。
1.建物の「断熱」とは
『断熱』は、先に述べた
「パッシブデザインの5つの設計項目」
の中で、一番聞き馴染みのある言葉
かもしれません。
断熱の効果は
①室内の熱の逃げを小さくする
②室外の熱の入りを小さくする
ことで、その性能を表す
「断熱性能」が高い住宅ほど、
室内の温度は外気温の影響を
受けにくくなります。
熱は高温の物質から低温の物質に
流れていきます。
住宅でいえば、冬は室内の暖かい熱が
外の冷たい熱に流れていこうとしますし、
夏はその逆の状況が生まれます。
室内と室外の間には、
屋根(天井)・壁と窓・床(基礎)
があり、そこに使われている
素材の熱抵抗によって、
その熱の伝わりの大小が変わります。
ここに、外壁にサイディングが貼られた
内断熱の家があり、
外から順に、
サイディング⇒構造用合板⇒柱
⇒断熱材⇒石膏ボード
で壁が構成されているとします。
それぞれの素材の熱抵抗値
(素材の熱伝導率を厚さで割ったもの)
を合計すると、その壁の熱の伝わりやすさが
熱貫流率として算出できます。
たとえば「高性能グラスウール16K」
という断熱材を90mm使用し、
壁の熱貫流率が0.44W/㎡Kとします。
同じ仕様で「硬質ウレタンフォーム」
という断熱材を105mm吹き付けたものに
変更すると、0.41W/㎡Kに。
「スタイロフォームAT」という
発泡スチロール系の断熱材90mmに
変更すると、0.37W/㎡Kになります。
単位の「W/㎡K」は、
「温度差が1K(1℃)としたときに、
1平米の面積を熱量が何W(ワット)
通過するか」を表しており、
数値が小さい方が熱を通しにくく、
「断熱性能が高い」ことを
意味しています。
熱貫流率は、素材そのものの熱伝導率と
その厚みで構成され、
それらの重なりにより、
構成面の平均熱貫流率が算出されるため、
使用している断熱材だけでは
断熱性能の優劣はつけられません。
2.断熱性能を表す数値の意味
断熱性能を表す数値には、
次のものがあります。
国土交通省が定める住宅性能表示制度の
評価基準である断熱等級には、
UA値とηAC値が使われますが、
Q値やηAH値にもぜひ
注目したいところです。
理由は、たとえば外皮面積の
多い平屋の建物と、外皮面積の
少ない総二階の建物で、
UA値がほぼ同じであるのに
Q値は大きく開く場合があるからです。
※建物全体の熱損失量を割る分母が
異なるためで、実際、外皮の断熱性能が
同様の場合、前者の建物の方が
熱損失量が多くなります。
尚、UA値には換気による熱損失は
加味されません。
また、ηAC値とηAH値の関係性は、
自然エネルギーを活用して
快適な室温を保つためには
矛盾するところがあります。
ηAC値が小さい家は、
ηAH値も小さくなりがちです。
冷房期と暖房期とで、
特に窓の日射遮蔽と日射熱取得を
調整できるようにしておくことが、
ηAC値が小さくηAH値が大きい
「パッシブデザインハウス」に
するために大変重要なポイントです。
※参考※
3.断熱の良し悪し
建物の断熱性能は、さまざまな数値が
関係しており、ひとつの数値だけで
良し悪しは図れません。
これらをきちんと把握した上で計画
(説明)できるつくり手を
パートナーに選ぶと安心です。
また、UA値やQ値で表される数値は、
あくまで建物の断熱性の平均値です。
熱の逃げやすさは、屋根(天井)・
壁・窓・床(基礎)で異なります。
どの場所にどの断熱性能を計画するのか、
つまり断熱のデザインをしていくことで、
数値と実際の乖離を防ぐことができます。
そして、断熱材の入っている外壁・
屋根(天井)・床(基礎)は
もちろんですが、
実は窓の性能が最も断熱性能に
影響を及ぼします。
建物全体から逃げる熱の
約7割は窓から逃げているからです。
方位や日当りによって窓を変えることも
断熱のデザインといえます。
4.気密性能の重要性
「高断熱」と併せて耳にする
「高気密」という言葉。
これらはセットで使われることが
多いですが、「高断熱の家=高気密の家」
というわけではありません。
断熱は、熱を断つものであり、
その性能で熱の伝わる量が変わります。
前述の通り、断熱性能が高いほど
室内の温度は外気温の影響を
受けにくくなります。
一方、気密は気流を止めるものであり、
その性能で空気の出入りする量が
変わります。
断熱をダウンジャケットで例えるなら、
気密はレインコートを
思い浮かべていただくと
わかりやすいかと思います。

レインコートは風を防ぎますが保温性能は低いです。 最も暖かいのはダウンジャケットの上にレインコートを羽織る組み合わせです。
断熱性能が高くても
気密性能が低いと、
外気が侵入するだけでなく、
隙間から気流が生まれて
不快に繋がるので、
両方の性能が高いことが
快適で省エネルギーな
住まいには必須です。
また、気密性能は、C値(隙間相当面積)
という値で表されます。
別名からおわかりいただけるように、
値が小さいほど隙間面積が小さく、
気密性能が高いことを意味します。
C値を高める方法は、
建物の隙間を減らす
ことです。
特に隙間ができやすいのは、
外皮を構成する部材の接合部、
窓、ドアまわり、外壁を貫通している
換気扇や配管まわり、コンセントボックス
周辺などです。
これらは、素材や部材そのものの
性能や特性にも起因しますが、
現場での施工状態により
大きく差が出るため、
気密性能を計画している住宅会社は、
必ず1棟ごとに測定をおこないます。
C値の予測は建築前にできますが、
1棟ごとに実測している施工会社は
多くないでしょう。
断熱性能、気密性能を
それぞれどのように考えているかは、
会社によって異なるので、
確認が必要なポイントです。
5.断熱性能の落とし穴
ところで、
でしょうか?
冒頭で「断熱」とは熱の伝わりにくさ
(伝わりやすさ)で、
熱は温度の高い方から低い方へと
移動するとお伝えしました。
断熱・気密性能が高い家ほど、
冬暖かい家であることは
間違いないのですが、
夏は逆に暑くなる可能性が
多大にあります。
人間は活動することで
常に100Wほどの熱を出しています。
(活発に運動すると200Wほどになることも)
また、家電や照明から、
そして調理の際にも熱が発生します。
室内は熱の発生源が意外に多いのです。
断熱・気密性能の高い家は
保温性能が高い家と
言い換えることができます。
暑い時期には、室内から発生する
それらの熱を保温してしまい、
なかなか外に逃がすことができません。
これが、高断熱・高気密住宅の
「熱ごもり現象」です。
さらに日射遮蔽が不十分であると、
日中の室温がかなり上昇します。
そうした高断熱・高気密の家の室温は、
夜になってもなかなか冷めず、
そこに家族が集まり、調理をし、
照明や家電を使うとなると…
夏の夜の状況が想像して
いただけると思います。
冷房不可も増えてしまします。
夏の暑さが厳しい昨今、
断熱・気密性能の高い住宅だからこそ、
夏の対策には気をつける必要があります。
次回は、断熱性能の高い住宅だからこそ
気をつけたい『日射遮蔽』について
お伝えしていきます。
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