DANRAN COLUMN DANRAN人のコラム

夏は涼しく、冬は暖かい。日差しをコントロールする軒と庇

近年、ハコ型の住まいや片流れ屋根の住まいなど、軒や庇をつくらないシンプルなデザインの家も増えています。しかし、実は太陽光と建物の関係を意識して、効果的に軒や庇を利用することが、家そのものはもちろん生活環境にも良い影響を与えるのです。快適な家づくりにおけるその重要性について紹介します。

住まいにおける軒や庇の役割とは

屋根の一部として外壁から突き出た軒。サッシなどの上部に付けられた庇。それらは外部の刺激から家の外壁を守るだけではなく、室内に入る日差しを調整するという重要な役割をもっています。

住まいの省エネ性と快適性を保つのに重要なのは、日射取得と日射遮蔽。日射取得は、窓を通して陽の光や暖かさとなる日射を室内に取り入れること。逆に日射遮蔽は、窓から入る日射を遮ることです。特に夏場は、窓から侵入する日射を遮ることで、室内気温を上昇させないようにすることが大切。日射取得と日射遮蔽をという相反する目的を上手にコントロールすることで、快適な暮らしを叶えるだけでなく、冷暖房負荷の抑制にもつながります。

「窓」と「軒や庇」の関係が、四季を通して心地良い家をつくる

浅井良工務店が手掛けているのは、軒や庇を効果的に設けることを意識したパッシブデザインの住まい。自然エネルギーを活かした快適な生活環境をつくる上で、太陽光を最大限活用できる南側の開口とそれに伴う軒や庇を設けることが、重要なポイントになります。

太陽が高い位置にある夏場は室温が高くなりすぎることを防ぎ、太陽が低い位置に来る冬場は日差しを遮らずたっぷりと取り込む。季節ごとの太陽の角度と軒の出を調整し室内に入る太陽光をコントロールすることで、太陽光の恩恵をうまく生活に取り入れます。軒の出は、窓との距離や屋根の形状などで決まりますが、建物や周囲の環境の諸条件をも含め、バランスの良い長さにするのが大切です。

敷地や物件によっては付けられないこともありますが、その場合は庇の代わりとして外部ブラインド等の遮蔽部材を活用するなどの対策をご提案します。

日差しのコントロールは、快適に永く暮らすことができる住まいをつくる上では、非常に重要な要素であるといえます。軒や庇の重要性をしっかりと把握しながら、気密・断熱性能などと合わせて検討し、エアコンなどの人工エネルギーに頼りすぎない自然エネルギーを意識した心地良い住まいをつくりましょう。

2023.01.16
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